満点の夜空に星が流れ  1章  (H:ゲーム&小説 M:九峪、キョウ J:?)
日時: 09/05 16:08
著者:

「どこだここは?」

 九峪の前には、懐かしい蒼白の精霊がういていた。

「何で君が、日魅子をつれてきたはずなのに」

 ブツブツとなにやら言っている。

「キョウなんでここに、死んだんじゃなかったのか!」

 九峪は、目から涙を流しながらキョウに抱きついた。

「く、ぐるぢぃー」
「良かった!本当に良かった!」

 九峪は、前の世界の2年間でかなり力が増していた。
 それによって抱きついただけでも、キョウの体ではとても痛い。






しばらくして、落ち着いた九峪がキョウを離した。

「悪い悪い、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない!」
「はは、まあまあ過ぎたことなんだから良いじゃないか」
「良くない!本当に痛かったんだぞ!」

 キョウは本気で怒っていた。それほどいたかったということだ。
 九峪は、懐かしかったため笑いながら対応した。

「分かったからもう許せ。じゃないと俺がお前を知っている理由を言わないぞ」

 九峪はニヤニヤしながら言った。

「許す!許すから教えて、ね、いいでしょ」
「あはははははは、やっぱりお前は変わらないな」

 九峪は、わざとからかって昔を思い出すかのように笑っていた。
 キョウは、頬をふくらまして、怒っていたが状況がまったく分からないので

「早く教えてよ」

 とぶすくれながら言った。

「ああ、分かった。けどめんどくせーから簡単に説明すんぞ」

 九峪は、真剣な顔で話し始めた。

「俺は耶麻台国を復興させた。しかし戦いの中で天魔境が割れてしまい、
 帰る方法が分からなくなってしまった。
 そんな時にこの日魅子の鈴が光り、時の御柱が発動し、
 俺はその中に入ったらここにいるってことだぜ」

 九峪は、日魅子の鈴を見せながら言った。
 それからしばらく考えた後、キョウは尋ねた。

「えーとつまり、すべて1回経験してるってこと?」
「簡単に言えばそうだ」
「じゃあさ、もう1回耶麻台国を復興させるのも簡単でしょ」
「難しいな。俺が前いた世界ではお前は死んでしまったし、
 幹部も5人しか残らなかった」

 九峪は、悲しい表情を見せながら言った。

「わかった。けど九峪は、今の世界でも協力してくれるよね」
「もちろんだ。今度は誰も死なせはさせない!」

 九峪の決意のあふれたかおは、どこか悲しげだった。

「キョウ。一応聞いておくが耶麻台国を復興させたらどうやって帰るんだ」

 急な質問にキョウは動揺した。

「え?あの、つまり、その・・・・・・火魅子!火魅子を立てれば帰れるよ」

 キョウの額には冷や汗がういていた。

「ほう、俺は、火魅子を立てたんだが帰れなかったんだがなー」

 冷や汗をかきながらキョウは悪あがきをした。

「その子には、火魅子の素質はあったの?」
「ああ、あったよ。ちゃんと割れる前の天魔境に映ったぞ」

 キョウは、あきらめたような表情に変わった。

「えーとつまり嘘って言うかなんと言うか」
「やっぱりな」
「気づいてたの?」
「前の世界のお前も動揺してたからな。その時の俺は分からなかったが、
 今冷静に分析したら誰でもわかるぞ」

 さらに九峪は、質問を続けた。

「この鈴では、完全には帰れないのか?}
「もうその鈴には力は残ってないよ。時の御柱のはつどうには、
 ものすごいエネルギーを必要とするからね。
 けど、後五百年ぐらいすれば力が完全に溜まってけれるようになるけど・・・・・」
「じゃあもう、帰れないのか」

 九峪は覚悟していたが、実際に分かると落ち込んでしまった。

「ごめんね、九峪、僕が呼んだばかりに」
「いいさ。選択肢が2つから1つに減っただけだ。
 それにお前に謝られると気持ち悪くて体が痒くなる」
「うわ〜〜〜〜ひど〜〜〜〜〜い本心で謝っているのに」

 九峪は、これ以上キョウが謝るのを見ていられなかったため、
 話題を変え、場を明るくさせた。

「で、これからどうするの」

 キョウは未来を知っている九峪に尋ねた。

「やっぱり伊雅のおっさんの所に行くのが一番だな。それに前の世界では、
 伊雅のおっさんは、すぐに蛇渇に殺されるから、
 早く行って守らないとな」
「蛇渇から伊雅を守るっていうけど、だいぶ難しいよ」
 
 九峪が、それほど強く見えなかったためキョウは、こんなことを聞いたのだ。

「まあ、頑張ればどうにかなんだろ」
 
 あくまでも、九峪は楽観的だった。

「もう!そんなんで大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫」
「じゃあ、早速いくとするか!」
 
 九峪は前の世界の伊万里から貰った。
 山歩き用の靴を履いていたので、足がかなり速い。

「あ、まってよ〜」
 
 キョウも九峪を追っていった。



















              満点の夜空に1つの星が流れた。
            その星は、儚く一瞬で消えてしまった。
             けど、この星は実は2つだった。








あとがき

こんにちは桜です。

前よりは長くなったと思います。

アドバイスなどありましたら、どんどんお願いします。

最後にすいませんでした。間違って送ってしまって。

今後は気をつけます。