火魅子伝 居場所 第1話 (H:小説 M:九峪 J:シリアス)
日時: 05/28 19:15
著者: 蒼獅

俺の名は九峪雅比古。

俺は今森の中を歩いている。何故森の中を歩いているかというと、前をフワフワと飛んでいる奇妙な生き物の所為らしい。

フワフワと飛んでいる奇妙な生き物の名前は天魔鏡の精霊で「キョウ」と名乗った。

キョウの話によると、

この世界(パラレルワールドで三世紀の九洲というらしい)の元の住人であった日魅子をこちらの世界へ呼び戻そうとしている最中に、

俺が邪魔をしたから俺がこの世界に来たということらしい。

俺からすれば、あんな不可思議な現象を目の前で見せられて、

さらには、光と共に日魅子が消えかかっているのを見たら、邪魔をするのは当たり前だ。

だから俺は「俺に用が無いんなら元の世界へ還せ」と言うと、キョウは「時を遡ることはできても下ることはできない」

なんてふざけた事を言うから一発殴ってやった。

俺がキョウに還るための方法を聞いた話を簡単にまとめると、今は滅亡している耶麻台国を復興させて、耶牟原城を解放し、

女王「火魅子」を即位させ「時の御柱」を動かせば還れる。

そのためには、火魅子の資質を持つ女性を探し九洲を支配している狗根国を倒さなければならないらしい。

その話を聞いた俺はキョウに「日魅子に戦争をさせる為に呼ぼうとしたのか?」と怒りのこもった声でキョウに言うと。

キョウは震える声で、「だ、だって何処にいるかも分からない火魅子候補を探すより、日魅子を連れてくる事の方が確実だったんだもん」

と言ってきた。キョウの立場から考えると耶麻台国の神器であるキョウは耶麻台国を復興させないと自分の存在理由が無くなる。

だから形振りかまっていられなかったのだろうと思う。

だが、俺にとってはキョウの立場など関係ない。だけど、俺が現代へ還るためには耶麻台国を復興させなければならないのも事実だ。

俺は日魅子と同じ現代育ちでもちょっと普通じゃない生き方をしていたので、

別にこの世界で生きようと思えば生きれるが、狗根国が支配している今では町に入るのも簡単じゃないらしい。

だったら、俺の居場所を確保するためにも耶麻台国を復興させるのはいいかもしれない。

内心そう思い俺は、さっきから「神の遣い」になって復興を手伝ってくれと俺に言ってくるキョウに、「いいぜ、復興に協力してやるよ。」と言ってやった。


ちなみに「神の遣い」とはキョウが考えた耶麻台国の者や九洲の民たちに俺のことを説明するために考えたものだ。





あとがき

初めまして、蒼獅と申します。

SSを書くのは今回が初めてなのでものすごく短いです。

あとがきも何と書いていいのやら分からないです。

まずは、九峪君が九洲に来て、耶麻台国を復興させるため「神の遣い」になることを決めるまでを書きました。

今回は、九峪君の視点で書いているので会話と呼べるものはないでず。

これからは会話も入れるようにしていくつもりです。

もし私のお粗末なSSを読んでいただけたのなら、

アドバイスでも何でもいいので意見がありましたら感想掲示板にてお願いします。

あとがきとはこんなもので良いのかがよく分かりませんがこれにて失礼します。