火魅子伝 居場所 第12話(改訂版) (H:小説+マンガ+オリ M:亜衣・伊万里 J:シリアス) 
日時: 12/02 17:38
著者: 蒼獅


九峪達復興軍が、三週間経った時点で集めた兵達は二千程になっており、これに周辺の村からの志願兵と、この一週間の間に落とした砦に居た九洲兵を加算すると、約二千五百もの兵力になっていた。

現在復興軍の幹部達は一つの天幕に集まっている。

集まっている幹部は、九峪、キョウ、伊雅、清瑞、星華、亜衣、衣緒、伊万里、上乃、仁清と、砦跡に来てから仲間になった、香蘭、紅玉、伊雅の推薦で幹部となった、音羽という長身で赤い髪の色をしている、上乃と同じく槍使いの女性、計十三人だ。

ちなみに只深と伊部は、只深が火魅子候補という事をキョウから聞き、九峪と紅玉、香蘭親子の試合の後、自分の育て親に話を聞きに行く為と、新たな物資を持って来る為、出て行っているので此処にはいない。

亜衣は全員が座るのを見ると、立ち上がりながら話し始める。

「では、これより当麻の街攻略作戦について話し合いたいと思います。まず当麻の街の総兵力は三百五十。この中に五十名ほどの九洲兵がいます。次に昨日中村の砦が落ち、炎上していると乱破から報告がありました。これにより当麻の街の狗根国兵達は警戒を強めていると思われます。そこでどうやって当麻の街を落すか……ということですが、何か意見のある方はいらっしゃいますか?」

亜衣はそこまで話すと皆を見回す。誰からも意見が出ないようで、亜衣は九峪を見て尋ねる。

「九峪様、何かありますでしょうか?」

亜衣に尋ねられた九峪は……。

(亜衣はすでに考えがあるようだな……)

と考え首を横に振りながら答える。

「いや、そう言う亜衣こそ何かあるんじゃないのか? 俺に遠慮せずに話してくれよ」

九峪がそう言うと亜衣は話し始めた。

「わかりました。現在の私達の兵力を持ってすれば、正面からでも勝てるとは思います。しかし、こちらは殆どが素人の兵達です。なので、私が考えたのは炎上した中村の砦の方向から四百程でまずは攻めます。と言っても実際に攻めるのではなく攻める振りですが……。そして、その後方に三部隊千二百程の伏兵を潜ませます。さらに、遊撃部隊として二百を用意し、四百の兵と出て来た狗根国の兵を伏兵が潜んでいるところまで誘い出し、撃破というものです。さらに、街の開放を行う部隊五百程を用意しておき、伏兵部隊と狗根国軍が戦っている間に街の奪還を行うというものです。如何でしょうか?」

亜衣はそう言って皆を見回す。すると伊雅が疑問に思ったことを亜衣に尋ねる。

「亜衣、わしはいい作戦だと思うが、そう都合よく狗根国兵が出てくるのか?」

亜衣は、伊雅の疑問は既に予想済みだったのか、すらすらと答える。

「それには清瑞に噂を流してもらおうと思っています。今回の反乱軍には“火魅子の資質を持つ者が居る”と噂を流します。これは清瑞に調べてもらった事ですが、当麻の街の実質的な指揮官である守備隊長の多李敷という男は、出世欲が強いらしいので、火魅子の資質を持つという噂が流れている時に、それを証明するように“火”と書いてある幟などを最初の四百に持たせ、掲げれば間違いなく出てくるでしょう。ということで噂の方、やってくれるな清瑞?」

「はい。それぐらいでしたらお安い御用です」

清瑞は力強く言い切る。亜衣は頷き周りを見る。皆も今回の作戦を理解したようだった。亜衣は確認するように九峪に尋ねる。

「九峪様、如何でしょうか?」

「ああ、いいと思うよ。じゃあ部隊を決めていこうか?」

「わかりました。まずは四百の部隊ですが私と……「私も行きます」……伊万里様?」

亜衣は伊万里の方を見る。

「私は火魅子候補でもあるし山人でもあります。山での戦いなら私の部隊が適任です」

「え、ええ……わかりましたよろしく御願いします伊万里様」

亜衣は内心伊万里の理解力と自分を囮にしてもいいとすぐに言えることに感心した。もともと伊万里と行く予定であったのだ。

「では、囮部隊は私と伊万里様の部隊で行います。次に伏兵部隊ですが、まず敵正面に伊雅様を体長、音羽を副体長とした部隊。右翼に星華様の部隊。左翼に香蘭様の部隊です。さらに、清瑞を隊長とした遊撃部隊。そして街の解放を九峪様、御願い出来ますか?」

亜衣の言葉に伊雅、星華、香蘭、清瑞は頷くが九峪は首を横に振る。

「いや、右翼の星華の部隊と俺の部隊を逆にしてくれ」

「……何故ですか九峪様?」

「星華の部隊はあまり乱戦に向いていない。それに街を開放するなら今噂を流している火魅子候補の方が民も喜ぶだろうしな」

「……そうですか」

亜衣は九峪の事を武力だけで無く知略もある人物だと改めて認識しなおした。亜衣は初めから九峪に伏兵部隊の一部隊を指揮してもらおうと密かに思っていたのだ。今の九峪の返答がなければ別の言い方で九峪に囮部隊に入ってもらうように頼むつもりだったのだ。そんな亜衣の思惑を知ってか知らずか九峪は明るい口調で話す。

「大丈夫だって。亜衣が必死に考えたんだ。必ず成功させるさ。な?」

そう言って皆を見つめる。その眼差しに何人かの女性人は頬を薄く染めたりしている者もいる。

「わ、わかりました。で、ではこれにて解散いたします。各自準備に取り掛かってください」

「おぉ――!!」

そう言って皆が慌しく動き始めた。





―翌日―

伊万里と亜衣は囮部隊を率いて、中村の砦に来ていた。砦の中を見て回っていると、上乃の声が聞こえてきた。

「うわ! 何、この黒いの?」

「どうしたんだ上乃?」 「どうかされましたか? 上乃殿」

上乃の声に伊万里と亜衣が尋ねると、上乃は地面を指差しながら答える。

「あ、伊万里。ほら見てよ。ここの黒いのって、他の黒い所より濃くない?」

「う〜ん。よく見てみると確かに……」

「ええ。しかもこの大きさは……」

伊万里と亜衣は、上乃が指差した場所を見ると、確かに他の黒い所よりも濃い。しかも、他の黒い所の大きさが人一人分位だとすると、ここは約三人分以上の大きさがあったのだ。

すると、亜衣が声を小さくしながら、伊万里と上乃だけに聞こえるように話しかける。

「おそらく、これは魔人の死体が燃えた跡でしょう」

「ええ!? 魔人の?」

「はい。そうでなければ魔獣の死体でしょう。狗根国の左道士が兵力の底上げの為に魔人を召喚する事は十分に考えられます。何故、この砦に魔人か魔獣が居たのかはわかりませんが、この事は九峪様にご報告しておいた方がよいでしょう」

「そうだね。すぐに乱破を送ろうか?」

「いえ、今回の戦が終わった後、当麻の街を奪還してからご報告しても遅くは無いでしょう。今、ご報告しても、余計な気を煩わせるだけでしょうから」

「わかった。じゃあさっさと当麻の街を奪還しなくちゃね」

「ええ、そうですね。ではそろそろ場所を確保しに行きましょう」

「わかった」

そう言うと、伊万里と亜衣は囮部隊を率いて中村の砦を後にした。





―数時間後―

伊万里と亜衣が率いる囮部隊は、数時間掛け、狗根国軍を迎え撃つ為の場所へと辿り着いた。

「伊万里様、このあたりでよいでしょう。此処ならば多少は敵の数も減らせるでしょうし、退却しやすいですから」

「わかった。じゃあ私はあっちに行って幟を立てておくよ」

「はい。わかりました」

お互いそう言うと直ぐに準備を始める為、それぞれの場所へ行き、その日は過ぎていった。





―翌日―

まだ日が昇る前に、囮部隊の面々は既に目を覚まして体を解していると、当麻の街から敵が出てきたと乱破からの報告がきた。

その数時間後、一人の兵士が息を切らせながら伊万里と亜衣の元へ走ってきた。

「はぁはぁ、て、敵が出てきました。およそ三百程です」

兵士の報告を聞いた亜衣は、頷くと話し掛ける。

「ご苦労だった。下がって休んでいろ」

「はっ」

伊万里は兵士が下がると亜衣に話し掛ける。

「いよいよだね、亜衣さん」

「ええ、いよいよ始まるのです。耶麻台国復興への戦いが……」

伊万里は、亜衣の言葉に何時もの様な覇気が無い様に感じ、如何したのか尋ねる。

「如何したの亜衣さん?」

「いえ、少し緊張しまして……」

亜衣の言葉に伊万里は首を傾げる。その様子に亜衣は苦笑いをしながら、

「狗根国兵は強いのです。あの時のようにはいかないでしょう……」

「ふ〜ん。そんなに強いの?」

伊万里が尋ねると亜衣は頷く。その様子に伊万里は本当に強いんだと思いはするが、自分のする事に全力で取り組むだけだと思い直し、明るい口調で亜衣に話し掛ける。

「まぁ亜衣さん。私達はあくまで囮。積極的に戦う必要なんてないんだしさ。それに、伏兵部隊には九峪様や香蘭、紅玉さんも居る事だし大丈夫だよ」

「伊万里様……はい、そうですね」

亜衣は、伊万里が自分を励まそうとしてくれた事に気づき笑顔で答える。お互い知り合ってまだ一月位しか経っていない。一月前に伊万里が火魅子候補だと知った時は敵愾心があったが、今は仲間意識の方が強い。

亜衣の笑顔に伊万里もにっこり笑うと……。

「そろそろ私も自分の部隊に戻るよ。じゃあ亜衣さん生きてまた会おうね」

そう言って自分の部隊の元へ戻っていく。亜衣は伊万里の背中を見つめながら……。

「ええ、必ず……」

そう呟き、兵士達に準備を始めさせた。






亜衣と伊万里が自分の部隊に戻り、太陽が昇り始めると共に両軍が動き始めた。

当麻の街の守備隊長で今回の狗根国の指揮官でもある男―多李敷―は復興軍の布陣を見ると蔑む様に呟く。

「ふんっ……小賢しい真似を……おい、各小隊長に伝令、脇目を振らず一気に潰す」

「はっ」

多李敷の言葉に兵士が伝令を伝えるべく走り去っていく。暫くすると、多李敷の目に復興軍の右翼から“火”と書かれた幟が掲げられているのが見えた。それを見た多李敷は忍び笑いをして兵士達に向って声を上げる。

「見よ! あの幟の元に火魅子の資質を持つ者が居るはずだ! 殺さず生け捕りにすれば恩賞は思いのままぞ!」

「おぉ―――!!」

多李敷の言葉に狗根国兵は一斉に答える。そして多李敷は復興軍を睨みつけ大声を上げる。

「行くぞ! 進め!!」

その言葉と共に、狗根国兵が動き出した。





「……来たか……弓隊……構え!」

亜衣は雄たけびをあげて向かってくる狗根国兵を睨みつけながら指示を下す。その指示に従って弓隊の兵士約五十程が二十五人の二列に並んで弓を構えている。弓隊といってもほとんど山人や農民なので、精度は期待できない。しかも、一月や数日間訓練した者が弓を構えているのだ、向ってくる狗根国兵の姿に怯えないわけがない。しかし、怯えながらもちゃんと構えているのだから彼等の心意気には頭が下がる。

だんだんと近づいてくる狗根国兵に、一人の兵士が上擦った声で亜衣に尋ねる。

「あ、亜衣様、ま、まだですか!?」

「まだだ、まだ早い」

亜衣は向かってくる狗根国兵を睨みつけながら静かな声でそう言い、兵士を黙らせる。






一方伊万里は、幟を揚げた事により予想以上の狗根国兵が此方に向ってくる姿に、よしっと呟く。そんな伊万里の隣に居た上乃が話し掛けてくる。

「思ったより来たね。大丈夫、伊万里?」

「ああ、私達のところに沢山来たって事はそれだけ亜衣さん達の負担が減るんだ。それに私達は一月近く準備してきたんだ大丈夫だよ」

そう言って伊万里は上乃に向って微笑む。上乃と仁清も、そして二人の話を聞いていた兵士達も伊万里の微笑みを見て、自分達も微笑む。伊万里は自分の部隊の皆が、自分を信頼してくれている事を改めて感じるのと同時に、自ら背負った“火魅子候補”の重さの一端を感じた。

「……よし、さぁ気合入れていくよ! 弓隊……構え!」

伊万里はそう言って真剣な表情になる。伊万里の言葉を聞いた兵士達は、すぐに弓を構える。

そして、亜衣と伊万里が向ってくる狗根国兵を睨みつけ同時に合図を出す。

「「放て―――っ!!」」






「怯むな! この程度どうという事はない! 進め!」

飛んでくる矢に何人かの狗根国兵が倒れるが、多李敷は大声を上げて兵達を前へ進めさせる。

「次!……放て!」

亜衣は一列目の兵が弓を放ち終わるとすかさず次の合図を下す。狗根国兵は飛んでくる矢に構わずひたすら向ってくる。亜衣は次々と指示を出しながらじりじりと後退していき、潮時だと思い退却の合図を出す。

「(そろそろか……)……引けぇっ! 引けぇっ!」

亜衣の言葉に、復興軍の兵士達は逃げ始めた。もちろんこれを追わない狗根国兵ではない。復興軍の兵士達に向ってどんどん近づいてくる。亜衣は下がりながらも方術を放つ。

「天の火矛!」

ドンッと爆発音がすると、数人の狗根国兵が倒れる。すると僅かに狗根国兵が動揺した。

「小隊長が殺られたぞ!」 「副隊長もだ!」

「ええい何をしておる! どけどけぇ――!」

慌てる狗根国兵を他所に違う部隊の狗根国兵達が、逃げ遅れた復興軍の兵達を斬っていく。その様子に亜衣は心の中で彼等に頭を下げつつ大声を上げる。

「(すまない)……集まれ! ばらばらになるな! いい的にされるぞ!」 

逃げる復興軍の兵達は亜衣の声に引き寄せられるように集まり始める。亜衣はそのまま兵達を集めながら誘導地点へと走り続けた。





一方伊万里達も向ってくる狗根国兵に後退しつつ戦っていた。伊万里の部隊は殆どが山人で構成されている。地形的には此方が有利だが、如何せん相手が予想より強かった。

(ちっ……狗根国兵はこんなに強かったのか……)

廃神社で戦った狗根国兵は、伊万里にとっては雑魚だった。もちろん現在伊万里に向かってくる狗根国兵も雑魚でしかないが、自分や上乃、仁清以外の者には流石に手強いと狗根国兵の強さを認識しなおした。

伊万里は向ってくる狗根国兵の攻撃を巧みにかわしながら剣を振るう。そのたびに狗根国兵が倒れるがすぐに他の狗根国兵が斬りかかって来る。ちらりと辺りを見回すと、上乃が鬼のように槍を振り回し、狗根国兵を斬っている。すると弓を放ちながら狗根国兵と戦っていた仁清が二人に声を掛ける。

「伊万里、上乃、そろそろ後退しよう」

「ああ、そうだな。行くぞ上乃!」

「わかったわ」

「全員引け――! 引くんだ――!」

伊万里は大声を上げながら全員に退却を促がすと走り始めた。すると、遠くに兵を集めながら走る亜衣の姿を見つけた。

「よし、私達も兵を集めながら亜衣さんの元へ行くぞ」

「わかった」 「うん」

「集まれ――! ばらばらに逃げるな――――!!」

伊万里がそう言うと散り散りに走っていた兵達が集まってくる。

「よし、このまま亜衣さんの所まで走るぞ! 遅れるな!」

そう言って伊万里達は亜衣が走っている方向へ走り始めた。





「亜衣さん!」

亜衣は自分の名を呼ぶ声の方に顔を向けると、そこには数十人の兵達を連れながら走ってくる伊万里の姿が見えた。

「伊万里様! ご無事でしたか!」

「うん、そっちも無事なようで安心したよ」

お互いの無事に安堵する伊万里と亜衣。亜衣は伊万里の連れている兵達と自分が連れてきた兵達を見ると話し始める。

「伊万里様、敵は多分すぐには追撃してこないでしょう。なので此処にいる全員で一つの部隊としましょう」

「うん、わかった」

亜衣の言葉に伊万里は頷く。伊万里達囮部隊は、集めた二百名程の兵達で、狗根国兵達を誘導地点へ誘うために動き出した。






一方狗根国軍は追撃を中断し兵を集めていた。

「残った兵はどれぐらいだ?」

「はっ、約二百六十程です。その内第一部隊の小隊長と副隊長が討ち死にしました」

ちっと多李敷は舌打ちを打つ。多李敷は出撃する前の事を思い出していた。

多李敷は、中村の砦が落とされた事を知っていたので、中村の砦の方から質素な武器を持った四百程の賊が此方に向ってくると聞き、すぐに出撃しようと留守に言ったが、病的なまでに慎重な留守は中々首を縦には振らなかった。しかし、物見から火と書いてある幟が掲げられているという事を聞き、留守と数人の狗根国兵と九洲兵を残して出撃したのだ。

確かに火を書かれた幟が掲げられるのを多李敷は見た。そして実際に戦ってみた感想は、意外にも統制されているというものだった。この時点では近隣の砦が落とされ、中村の砦が落とされたことから、まあこんなものかと思っていた。

多李敷という男は一言で言えば、自分の欲望に正直な男である。

(あの程度ならこのまま行けば勝てる。くっくっくっ、必ずこの俺が火魅子の資質を持つ者を捕まえてやる。そうすれば俺は一気に昇進だ!)

多李敷はそう思いながら兵に指示を下す。

「一番隊の半数は俺の指揮下に入れ。二番隊は一番隊の半数を吸収し大物見として先行。後は背後の警戒をしつつ進行。以上だ」

「はっ」

多李敷の指示に、兵は復唱して走っていく。

「(もし何かあっても先行させた奴等が犠牲になるだけだ)よし進め!」

内心非道な事を思いながら叫ぶ。そして狗根国兵は前進し始めた。

(くっくっくっ、必ず手柄を立ててこんな田舎からおさらばしてやる!)

どす黒い欲望を抱きつつ多李敷は歪んだ笑みを浮かべる。

欲望に捕らわれた男が指揮をしている狗根国軍。耶麻台国復興の為に一致団結して戦う復興軍。

既にこの時、復興軍の勝利は決まっていたのかもしれない…………。





あとがき

どうもお久しぶりの蒼獅です。第十二話如何だったでしょうか?

欲望に捕らわれた者の末路など決まっていいものではありません。さらに原作(小説)とは違い、九峪が強い、香蘭、紅玉親子、さらに二千五百の兵、一月近くの準備は伊達ではないのです。と言っても武器は只深から買った分に、集まってくれた人たちで作った武具なので、質より量と言ったところです。

次回は、伏兵部隊の戦いと、囮部隊が戦っている頃の、当麻の街の様子をお送りし、当麻の街の攻略戦は終了です。そして、酒好きの王族や、復讐に燃える旅芸人一座の座長代理なんかも登場します。

宜しければ感想掲示板に、意見や感想、指摘などをお願いします。

ではこれにて失礼させて頂きます。