『あははは〜!!』

   どこかで子供達の声が聞こえる。どこかなつかしい............................

   智也「んっ..........................俺はいったい.........................ここは?」

   気がつき体を起こすと俺は草原のど真ん中にいた。

   智也「................あっ、そうか。俺、車に...................」

   俺は辺りを見回した。だが、辺りは草だけで他には何もなかった。わかってる事は

   ここにいてもしょうがないとゆ〜事だけだった。

   智也「さて、行くか。道のりは長いけど」

   この時俺は過去の記憶と対峙することになろうとは夢にも?思わなかった。

   そしてこの対峙は俺にとって乗り越えなくてはいけない事だった。


------------Shion's Story 第2話------------

『再会〜はじまりの扉〜』


   詩音「................................................」

   私はずっと黙ったままだった。いえ、むしろしゃべることができなかった。

   救急車の中にいる時も。そして、今こ〜して待合室でまっている時も...................

   詩音(智也.................................)

   唯笑&みなも「..........................................」

   唯笑ちゃんとみなもちゃんもずっと黙ったままだった。信さんが楽しい話題を

   振りかけても重い空気が軽くなることはなかった。それどころかますます

   重くなってしまった。信さんもいつの間にかしゃべらなくなってしまった。

   時計の針の音がカチカチと聞こえる。時間が長く感じてしまう。

   カチッ!!

   その時、手術室のランプが消え、智也の乗ってるベッドとお医者さんが出てきた。

   詩音「智也は!?智也は無事なんですか!?」

   私はお医者さんに必死に聞いた。他の誰よりも早く....................

   医者「手術は成功した。命に別状はないよ。ただ........................彼が、智也君がいつ

      目覚めるのかわからないんだ。だから今はまだ油断できない状況だよ」

   お医者さんはそう言うなりすたすたと行ってしまった。私は声が出なかった。

   詩音(そんな.......................それじゃ智也は........................)

   私はその場にしゃがみこんでしまった。あまりのショックに立てなくなった。でも、

   唯笑「詩音ちゃん!あなたがそんなんでど〜するの!?智ちゃんを助ける事が

      できるのは詩音ちゃんだけなんだよ!唯笑じゃもう智ちゃんを助ける事が

      できなんだから...........................」

   唯笑ちゃんの叫びが私の心に強く響いていった。絶望の淵にいた私を呼びして

   くれた。

   詩音「ありがとう、唯笑ちゃん」

   唯笑「詩音ちゃん.............................」


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   智也「....................................................」

   俺は草原の中をひたすら歩き続けた。だが.......................

   智也「全然景色が変わらね〜!!いったいどこまで続いてんだ〜、この草原は〜!!」

   おもいっきり叫んだが、当然のごとく何の反応もない。それどこか息が

   切れて逆に疲れた。

   智也「ハァ...........................ふんだりけったりだよ。ったく...................ん?」

   その時俺は少し先に何かを見つけた。とりあえず気になるのでその場所に

   行ってみた。

   智也「これは..............................ただのドアじゃないか。なんでこんなとこに

      ドアが.............................あれ?このドア鍵がかかってない。開けてみるか」

   ドアに手をかけ開いていった。開けてみると、ドアの向こうは真っ暗で

   何も見えなかった。...............................って、

   智也「なんで、真っ暗なんだ!?」

   そんな俺の疑問をよそに突然ドアが光り出した。

   智也「な、なんだこの光は!?う、うわーーーーーーーーー!!」

   叫ぶと同時に俺は光に吸い込まれていった。

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   智也「うっ、いたた〜..........................................ここは?」

   俺は気がつき、辺りを見回した。そこはさっきの草原ではなく、公園の中だった。

   でもなぜかなつかしい感じと同じくらい悲しい感じがした。

   智也(何だろう、この気持ち...........................)

   俺はその気持ちを振り払うように歩き始めた。公園の少し奥に行った所に

   1つのベンチがあった。まだ真新しい、作って間もない感じのベンチだった。

   智也「一休みするか。けど、この公園はいったい.................................」

   そんな疑問をぼやきつつ、俺は一休みをした。だが、ちょうどベンチに座った時、

   雨が突然降りだした。

   智也「うわっ、何だよいきなり!?どっか雨宿りできる場所は.................................

      おっ、あそこがいいな」

   俺はベンチの近くに雨宿りできる場所を見つけ、そこにかけこんだ。

   智也「ふぅ〜、助かった。ったく服がびしょびしょだ」

   とりあえず服を乾かそうとした。このままじゃ風邪をひいてしまう。と、ふいに

   ?『智也』

   智也「えっ?」

   俺は声のした方を向いたが誰もいなかった。

   智也(気のせいか)

   そう思った時

   ?『智也』

   まただ。

   智也「誰だ?」

   声のした方を向くと白い光が1つ強く輝いていた。

   智也「なんだ、この光は?うわっ」

   その光が広がったかと思うと、一面が真っ白になった。しばらくして光が

   なくなり、俺は目を開けた。

   ?「久しぶり、智也」

   白いワンピースに白い傘。俺はそれを見た時、我が目を疑わずには

   いられなかった。

   智也「あ、彩花!!」


第3話(最終話)に続く