このSSを読むに云ったって…… ここでの火魅子伝は小説版を指します<設定がゲームや漫画などのほかのジャンルが混じるかもしれません 火魅子伝を読んだ方でないと楽しめない可能性があります<読んだ人でも楽しんでくれるかわかりませんが もちろん知らない人にでも楽しめるように書いて行きたいと思っています このSSは火魅子伝のシナリオに沿って進めていきたいと思っています。後になってシナリオとは別のものになる可能性もありますが とらハのクロスと言っていますが基本的にとらハの女性キャラが主流ではありませんお気をつけください。とらハでは基本的に恭也しか登場しないと思ってくださって結構です 以上のことを踏まえて、では……どうぞ〜〜♪ とらハ×火魅子伝SS 第一話 〜風芽丘学園〜 「お〜い、恭也〜!!」 「ん?」 学校で俺のことを恭也と呼ぶのは月村と後一人だけ……それに声は男子なのであいつしかいないはずだ 「どうした?、九峪…?」 「はぁ…はぁ……ああ、ちょっとお前に頼みたいことがあるんだ……」 九峪雅比古……一昨年、去年と同じクラスで赤星とは別にすると俺のもう一人の親友だといえる奴だ…… 「なんだ?」 「ああ…来週の土曜日……暇か?」 「ああ……特に用事は入っていないが?」 「頼む!一緒に九州に付いてきてくれないか?」 「九州に、どうしてだ?」 「実はな……日魅子の親父さんが九州・佐賀県にある耶牟原城跡地で発掘作業をしてるんだけどな?」 姫島日魅子…九峪の恋人だ。その父親は確か考古学の教授で耶麻台国のことを主に調べているらしい 「耶牟原城……確か耶麻台国のか?」 「おう……最近その発掘作業の邪魔をしてくる奴らが来るらしいんだ……」 「ほう……それで俺に?」 「ああ……追っ払ってくれ」 九峪はニカッとでも擬音が付きそうな笑顔を向ける 「報酬は?」 「昼飯を奢ろう」 「二週間だ……」 「もう少し何とか……」 九峪は顔の前で両手をパンとあわせる 「一週間これ以上はまけられんぞ?」 「よし!決まり!」 「………そうそう一応俺と日魅子も一緒に行くからな?」 「ああ、わかっている」 高町家〜夕食時〜 「九州?」 「ああ……ちょっとしたアルバイトだ」 「おにーちゃんどこかにいくの?」 「ああ……友人に頼まれてな……発掘中に邪魔をしてくる連中がいるらしい」 「交通費はどうするの?」 「ああ……経費で落としてくれると言っていたが?」 「でも、恭ちゃん大丈夫なの?」 「心配ない、念のため完全武装の上に予備の装備まで持っていくつもりだ」 「それなら心配ないですね、師匠?」 「ああ……どうせもともと発掘現場の土地に目をつけていた連中の嫌がらせだろう……痛めつけてやればすぐに退散するさ……」 「警察は動いてくれないんですか?」 「ああ、まだ実質的な被害は出ていないようだからな。俺がいざこざを起こしてもそこで警察が介入し始めて嫌がらせも終る」 「まあ……なんにしてもお土産は忘れないでね?」 「頼みまします、おししょう」 「なのはもー」 「ああ大丈夫だ。ちゃんと買ってくるから。かーさんたちのことをよく聞いておとなしくな?」 「はーい」 「一応那美さんに聞いておいた方がいいかな?」 「どうした、美由希?」 「ほら、那美さんて確か九州出身だったでしょう?だからお土産の事、聞いておこうかと思って」 「ああ………そういえばそうだったかな?」 「明日にでも学校で聞いておこう♪」 一週間後 〜高町家〜 よし、鋼糸・小太刀・小刀・飛針の装備から予備の分まで全て用意は整った…… 「さて、行くか…久遠?」 「くぅ〜ん」 何故ここに久遠がいるのか……それは……………… 「高町先輩九州に行くんですか?」 「ええ、そうですよ」 「九州の何処ですか?」 「佐賀県・耶牟原城跡地です」 「や、耶牟原城ですか?」 那美さんは困惑の表情を浮かべる 「……どうか、したんですか?」 「ええ……実はあそこはお払いしきれないほどの霊たちがいるんです。 年に一回大規模なお払いをするんですが何か力に引き寄せられるようにまた霊たちが集まってくるんです」 「それって危険なのでは?」 「ですから、念のために久遠を連れて行ってやってくれませんか?」 「久遠を…ですか?」 「はい、今のあの子なら大抵の霊障は防げるとおもいます」 確かに日本の妖怪の中では有数の力を持っているのだろうな 「では……連れて行かせてもらいます」 ……………… と、いうことだ…… 〜海鳴駅前〜 久遠をペットのお出かけ用のカゴに入れ海鳴駅に着く 「九峪はどこだ?」 「あっ、恭也くーん!こっちこっち」 声のする方を見ると九峪と姫島さんの姿が見える 「よう、恭也。二日間よろしく頼むぜ」 「ああ、まかせておけ」 「ねえねえ?恭也君?なに持ってるの?」 「ああ……久遠のこと?久遠でてきていいぞ」 「くぅん?」 「か、可愛い……♪」 「く〜ん」 久遠はもともと人見知りが激しいため姫島さんに居心地悪そうに抱かれていた 「おーい、もうそろそろでないと飛行機に間に合わなくなっちまうぞー」 九峪の声に姫島さんは我に返ったのか名残惜しそうに久遠を離すと 「ちょっと待ってよー、九峪ーっ」 すでに少し前を歩いている九峪に追いつこうと早足で追いかける 俺も久遠をカゴに戻すと二人の後についていった……… 九州・佐賀県・耶牟原城跡地 飛行機を降り、さらにタクシーを使い合計数時間かかってようやくたどり着いた 九峪と姫島さんは姫島教授のところに行っているはずだ しばしの間、俺は景色を堪能することにした 「これはまた……絶景だな…」 富士山などの壮大さではない。のんびりとした風景に思わず魅入る 遥か向こうに色あざやかな緑色の山並みが見え……… 青く澄み切った空を見上げ…… 唯一聞こえる鳥の声だけを耳に入れる 「くぅ〜ん」 久遠の鳴き声に俺は下を向くと久遠が俺の方を見上げ頭を傾げている 「ああ……あんまりのどかなんでな……少しぼーっとしていた」 俺が手を差し伸べると久遠は腕を伝って俺の肩に器用に座る 「そういえば久遠?霊の気配とかは感じないのか?」 「くぅん」 久遠はその通りだといわんばかりに頭を縦に揺らす 「そうか……ッ………だが空気が変わった」 俺がそういうと久遠も気づいていたのか久遠の回りにパチパチと青白い火花が飛ぶ、久遠、痛い…… どれぐらい経ったのか……気がつくと妙な気配はなくなっていた……… 「一体……なんだったんだ?」 俺は愛刀の八景の柄を握り締めていることにふと気がつく 「ふぅ……」 手を離し緊張を解していると 「恭也ー!!なんか珍しい銅鏡が見つかったってよー!!!」 九峪の叫び声が聞こえ少し離れた場所で九峪が手招きしているのが見えた 「まあ……いいか」 俺は九峪のいる場所へと歩き出した 〜耶牟原城跡地〜 夜の八時半を回り俺は久遠を連れて見回りをする 「異常は無しか……久遠、何か感じるか?」 俺の問いに久遠はふるふると頭を左右に振った 「……ん?だれかいるのか?」 プレハブ小屋の一つに懐中電灯らしき光が移る もしかして……泥棒か? 「久遠、気配を消して近づくぞ?」 「くぅん」 俺達は出来るだけ気配を消してプレバブ小屋へと走る 同所・〜数分前〜 「なあ、日魅子、ほんとにいいのかよ?勝手に入って先生に怒られてもしらねえぞ」 俺の呼びかけにも答えず日魅子は持ってきた鍵を取り出した 「おい、お前、なんか変だぞ」 「そう?」 「いったい、なにしようってんだ!?」 日魅子の腕を掴む、振り向いて俺を見た日魅子は感情のこもっていない声で答えた。 「呼んでるの。だから……」 宙を泳ぐ頼りない日魅子の視線に、俺は言いようのない不安にかりたてられた。 「呼んでいるって……誰が?」 「懐かしい声なのよ。だから……」 俺は思わず怒鳴ってしまった 「おい、答えになってねえぞ!」 「いいから邪魔しないで」 日魅子は俺の腕を振り払うと扉に向き直った なんだよ、こいつ…… こいつが変わったのはいつだ?朝…違う、昼……違う………朝も昼も日魅子のおかしいところはなかった じゃあ………一体いつからだ…………? そう……あの銅鏡を見たときから日魅子の様子が変わったんだ! あれを見てからというもの日魅子の心はここにあらずといった感じで俺や恭也が話し掛けても上の空で生返事を繰り返すばかりだった 「開いた」 日魅子が小さく叫んだ。 俺はその声に現実に引き戻される。 日魅子はそっと引き戸を引いた。戸がレールの上を滑る音がやけに大きく響いた そして日魅子が何のためらいもなく建物の中に入っていった、仕方なく俺はそれに続いた 中は真っ暗で、何処に何があるのかわからない。入り口の脇にあるスイッチを探して電気を点けようとするのを日魅子が押しとどめた。 「ダメよ。電気点けたら誰かに気づかれちゃうかもしれないでしょ」 俺はひょいと肩をすくめた 「スリル満点だな。まるでルパン三世にでもなった気分だぜ」 日魅子は俺のつまらないギャクを一顧だにせず奥へ奥へと進んでいく 「やっぱ、変だよな、あいつ」 「あった」 明かりの中に銅鏡が浮かんでいる。あの銅鏡だ。 今まで見たこの無い不思議な形をしてみたことの無い不思議な文様に彩られた銅鏡。 姫島教授もスタッフもみな興奮していたが、この銅鏡にどれほどの価値があるものなのか、 俺にはさっぱりわからなかった。 日魅子が手にしている懐中電灯の明かりは、銅鏡を照らし出したまま、ピクリとも動かなくなった。 「それが見たかったのか?だったら、明日にでも先生に頼んで見せてもらえばいいんじゃねえか」 日魅子は俺の呼びかけに答えずただ一言 「持って」 と言って、手にした懐中電灯を押し付けてきた 「なんだってんだよ、いったい!?」 懐中電灯を受け取った九峪がぶつぶつ文句を言っていると、日魅子は棚の銅鏡に手を伸ばした。 「お、おい勝手に触ったりしたら……」 九峪が慌てて止めようとしたときには、日魅子は銅鏡を両手で持ち上げていた 「し、しらねえぞ、おれは」 九峪が緊張した声をもらした。 そのとき……… かたん、と何かが揺れる音がした 飛び上がるほどに驚いた俺は懐中電灯を明かりに向ける 何もない 建物の中をあちこち照らしてみるが、何も変わったところはないようだ。 「ネ、ネズミでもいるのか……」 俺がふと明かりを上に向けると天井にぶら下がっている裸電球が揺れているのが見えた 「え?」 俺は入り口を振り返った。 「何だってんだよ、いったい!?」 九峪の声が聞こえた……ということは二人が忍び込んでいるのか?それとも人質に? 俺は再び中の気配を探る。 「お、おい、勝手に触ったりしたら」 どうやら姫島さんも一緒に入り込んでいるらしい 部屋の中の気配は二つ……どうやら俺の予想はいい具合に外れてくれたらしい 俺はプレハブ小屋のドアを開けた 「なんだ…恭也か」 「なんだではないだろう?どうしてこんな時間にここにいるんだ?」 「ああ…それは日魅子の奴が…日魅子?」 俺は姫島さんに目線を送ると 姫島さんが持っている銅鏡から光が放っているのを見た 「日魅子、変だぞ、それ。おい、手を離せ!」 九峪の呼びかけに何の反応もせずに姫島さんはただじーっと銅鏡を覗き込んでいる。 次第に銅鏡が発する光が強くなりすぐに部屋の中が見渡せるぐらいに明るくなった パシュンッ! 「だめ……恭也止めて……」 人型に変化した久遠が声を発すると共に光が弾け室内がまばゆい閃光に満たされ何も見えなくなる ギリギリのところで目をつぶり手で防いだ俺は恐る恐る目あける 「なんなんだ……これは……」 閃光の代わりに不思議な緑色をした光の柱の中に姫島さんの体を押し包んでいる やがてきらきらと煌く無数の細かな点が出現した。 その煌く無数の点は光柱から流れ出して、銅鏡へと吸い込まれていく この世のものとは思えない不可思議な光景に魅入っていたがとんでもないことに気がつく 目の前の姫島さんの姿が薄れてきているのだ。 空中に輝くきらきらした多くの点が銅鏡に吸い込まれるにつれて姫島さんの姿がどんどん薄れていく 「日魅子ーーーっ!」 九峪が絶叫する、その声に反応したのか振り向いた姫島さんは九峪に向って 魂の抜け落ちたような笑顔を向けたその時 『ヨウヤクアエタネ』 という男かも女かもわからない不思議な温かみのある声が俺の頭に響いた。 九峪を見ると辺りを見回している、どうやら九峪にも聞こえているらしい 『サア、イコウ、キミノイルベキセカイヘ』 その声が聞こえたと同時に九峪が姫島さんに体当たりした。 「お、おい壊れたりしてないだろうな」 九峪は体当たりをした際に姫島さんが取り落とした銅鏡を拾い上げる とりあえず俺は倒れた姫島さんの様子を診る 「くぅ〜ん」 いつの間にか傍に来ていた久遠も心配そうな声を上げる 「恭也……どうだ?」 「安心しろ、気を失っているだけだ」 「こっ……これは!?」 九峪の方をむくと先程姫島さんに起こっていたことが九峪にも起こっていた 何故だ?……そうか銅鏡か!! 小太刀二刀・御神流 奥義之歩法 神速 「ひ、み、こ」 そうつぶやいた九峪の手から銅鏡を奪い投げ捨てようと…… 「くっ……体が、動かないだと?」 「恭也!」 久遠が俺の体に抱きつく やめろ……離せ久遠……くっ……声も……出せない……… そこで俺の意識は闇に閉ざされた………… あとがき う〜ん、これを火魅子伝SSと言っていいものか とらハSSと言ってもいけないような・・・・・・ え〜っと、とりあえず恭也君はまだ活躍しなさそうです あと、比較的火魅子伝のキャラを弱くしていますがご了承のほどを(_ _) でわでわ〜
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