往人の1日
往人「………」
寝起きは久しく最悪だった。
往人[頭が痛い…」
少しでも動かすと、がんがんする。
往人[二日酔いか…久しぶりだな……くそ!」
がんがん
往人「ぐぉぉぉー…気持ち悪い…」
そういえば昨日、晴子と飲んだからな
居間でぼーっとしていると
ブロロロロローーーーーー…
往人「むっ…帰ってきたな」
ドカン!!
いつもの通りバイクをぶつけて家に帰って来た晴子。
そして、いつもの第一声。
晴子「居候ーー!起きとるかー!」
面倒くさく答える。
往人「何だ?」
晴子「飲め!」
往人「……ヤダ」
晴子のお供は、肉体的・精神的にストレスが溜まるから即答でそう答えた。
晴子「……」
往人「……」
そう言うと短い沈黙が流れた。
晴子「そうか」
往人「そうだ」
晴子「しゃーないのー…」
おっ 珍しくココで引くのか助かった。
と、思ったのもつかの間。
晴子「クイズコーナー!」
往人「なぬ!」
晴子「第一問!」
往人「ちょっと待て!」
晴子は俺の静止を聞かず進めた。
晴子「うちのバイクのタンクの色は…何色?」
俺は、それを無視して納屋に行こうとした。
晴子「何処に行くんや」
何処となく目が光っていた。
往人「眠いから納屋に行く…」
晴子「そうか…」
襲い掛かってくるか
と思ったが信じられない言葉を言う。
晴子「おやすみ〜♪」
往人「お…おう…」
晴子「一人で飲(の)んどるか〜♪」
晴子は、明るくそう言うと台所に消えた。
往人(む、なんか気持ち悪いな…)
まぁ、晴子も大人になったんだろう。
もともと大人だろ ビシッ
うむ、今日もいい一人ツッコミ
と満足して納屋に向かった…
往人(ふぅ〜今日もダメだったな…)
今日のことを考えながら、床に入ろうと横になった。
往人(明日も稼ぎに行かなくては…)
と思いながら目をつぶった…
???「ぴこ」
往人「ん?」
寝返りをうつと
???「ぴこぴこ」
往人「……」
もう一度寝返った。
???「ぴこぴこ」
バッ
俺は、慌てて辺りを見渡す。
往人「……なんでおまえが居る」
???「ぴこぴこぴこぴこ」
と珍獣犬ポテトが一生懸命に何かを言っていた。
ポテト「ぴこぴこぴこぴこ」
往人「ココがお前の新しい住処か?」
ポテト「ぴ…ぴこぴこ」
ポテトは、ちがうちがうと言うように首を横に振っていた。
往人「…………」
俺は、一生懸命に考えた。
何故こいつが居るのかを…
こいつがなぜ霧島家にいないでここに来る理由が解らない…
でも…こいつが一人で来ても利益は無いぞ?
う〜ん、と考えているとポテトが晴子のバイクにじゃれていた。
往人「何バイクとじゃれて……そうか…そういう事か…」
ポテト「ぴこぴこ♪」
往人「晴子が連れてきたんだな」
ポテト「ピッコピコ♪」
ポテトは、正解と言わんばかりに踊っていた。
往人「…………」
俺は、それを見て
ムンズ
ポテト「ぴこ?」
往人「霧島シスタァーズ…バックホームゥゥゥ…」
ポテト「ぴこ〜〜〜〜〜〜…」
俺は、霧島家の方角にポテトを投げた。
往人「ふぅ〜…大リーガーもビックリだな…さて…」
俺は、晴子に文句を言いに言った。
晴子「お〜居候。一緒に飲むことにしたんか〜」
往人「晴子一体どういうことだ。」
晴子「何がや〜」
晴子は、一升瓶の中身をコップに注いでいた。
往人「なんで、納屋にポテトがいたんだ!」
晴子「ポテト?」
往人「毛玉の犬だ!」
晴子「あ〜、あの毛玉犬か〜…がどうしたんや」
と言いながらコップの中身を飲んでいた。
往人「何でアイツを連れて来た。」
晴子「毛玉犬がな〜居候の芸を見たい言(ゆ)うて」
往人「そうか…もう二度と連れて来るなよ!」
晴子「で、芸みせたん」
往人「ああ。見せたら空を飛んで帰っていったぞ」
晴子「……投げたんやな」
往人「いや…だから空を飛んでいった」
晴子「まぁいい、そろそろやな…」
往人「何がだ」
意味深げな言葉を言い、再び酒を飲み始め
俺は、納屋に戻ろうとした時…
ジリリリリリン
と、電話が鳴った。
往人「晴子、電話だぞ」
晴子「居候出たってや」
その間も鳴っていた。
往人「何で俺が…」
ぶつぶつと文句を言いながら受話器をとった。
往人「もしもし…」
???『もしもし、神尾さん家かね?』
往人「ああ…そうだが。そちらさんどなた?」
その声に聞き覚えがあった。
???『霧島医院の聖だが、国崎 往人をお願いしたい』
往人「あ〜…聖かどうした?」
聖『国崎君か?ちょっと聞きたいことがあってね…』
往人「何だ?」
聖『さっきまでそっちにポテトが行っていたかね?』
往人「ああ居たが…それがどうした?」
聖『いや…ポテトの帰りが遅いのでな、佳乃が探しに行ってくると言ったのだ』
往人「ふむふむ」
聖『そうしたらすぐに帰ってきてな』
往人「なんでだ?」
聖『「空からポテトが降ってきた」と佳乃が言って、佳乃がポテトに
「何で空から降ってきたの?」と聞いたそうだ』
往人「…………」
なんか嫌な予感がする…
聖『その答えが「えぇ〜往人くんに投げられたの〜」と言ってたのだが…
その真偽について知りたくてな』
往人「そんな事してないぞ」
聖『そうか…佳乃ーやってないそうだぞ』
佳乃『ほら〜やってないってポテト』
ポテト『ピコピコ』
と受話器の向こうから他の声が聞こえてくる。
佳乃『往人くんがそんな事する訳ないよー!していたら』
往人(その先言うなよ。聖が燃える)
佳乃『下僕1号だよ〜』
往人「…………」
うそを突き通さなければ…
聖『と言っているが…嘘は、いっていないな?』
往人「ああ…」
聖『もし…嘘を突いていたなら…」
キラン
なぜか受話器の向こうでメスの光る音が聞こえたような…
往人「嘘を突いていない」
俺は、断言した。
聖『そうか…神尾さんに変わってくれないか』
往人「ああ…晴子ー変わってくれだってさ」
晴子「はいよ」
そう言って晴子は、受話器を受け取った。
俺は、晴子のやり取りを聞いていた。
晴子「変わったでぇ〜……ふむふむ…ちゃうでそれ……本人がちゃんと言っていたからな〜」
なんだ?本人て俺のことか?それだとやばい…
晴子「……はいよ」
往人「ん?」
晴子「変わってくれって」
往人「変わったぞ」
晴子から受話器を受け取って再び話した。
聖『ふっふっ…』
往人「何笑ってんだ」
聖『明日の天気を教えてやろう…』
往人「天気?明日も晴だろ」
聖『いいやちがう…』
往人「じゃー…なんだ」
聖『明日の天気は、晴時々曇りのち…』
往人「なんだよ…晴じゃないかで、曇りのち何だ?」
キラン
聖『メスだーーーーー!!』
ガチャン!
ツゥーツゥー…
往人(何だ?『メスだーーーーー!!』とか言いながら切りやがって…)
そんなことを考えながら受話器を戻し納屋に向かった。
往人(…………なにー!メスー!)
ちょっと待てどういうことだ?嘘を突きとう…
横を見るとニコニコしながら晴子が見ていた。
往人「…………聖に何を言った…」
晴子「ん?」
相変わらずニコニコしていた。
往人「聖に何を言った。と聞いてるんだ?」
晴子「ああ、ただ単にな」
往人「ああ」
晴子「それは嘘やで〜、って言っただけ」
晴子は、さらっと言う。
往人「…………」
俺は、それに絶句した。
晴子「どないしたんや?」
往人「……今すぐ聖に訂正の電話を入れてくれ」
晴子「何でや?」
晴子「いやや、嘘つくのうち嫌いやさかい」
往人「明日、血を見ることになる」
晴子「よかったな!めったに見れないもん見れるや無いか」
往人「くそ!他人事だと思いやがって」
晴子「そや、他人事や」
何かと取引しないとダメか…
俺は、取引のネタを探した。
晴子「わかった!」
往人「?」
晴子「うちと酒飲むんだったら、ええで」
と言って笑った。
往人「う〜〜〜ん」
俺は、真剣に考えてしまった。
肉体疲労・精神疲労VS命か…
往人「わかった…飲む」
晴子「よっしゃー」
命の方が大事なので飲むのを選んだ。
往人「じゃー早速、電話してくれ」
晴子「今じゃなくてもええやん」
往人「今してくれ」
晴子「まぁ〜後でええやん。なっ!じゃないと電話せえへんで」
往人「う〜…わかった…」
往人(ちゃんと電話してくれるのだろうか…)
そんな不安を持ちながら飲んだ。
往人(やっぱり答えるないろいろな意味で…)
声「ごーきごーきごきごき♪」
往人(む、観鈴が飯を作っているな…出来るまで寝よう)
そう思って目を閉じた。
往人(しかし…あの歌どうにかならんのか…いつか呼ぶんじゃないか…)
と考えていると
声「わーーーー!」
往人「のわぁーーーー!くぅぅー…」
がんがん!
叫び声が頭に響く…
往人(…一体朝っぱらから何事だ?)
思わず頭を抱えてしまった。
往人(そういえば…前にもあっ気が…)
俺はそんなことを思いながら台所に行った。
声「わわわわっ」
観鈴は、慌てていた。
往人「うるさいぞ」
観鈴「だって…」
往人「また換気扇からセミでも入ったか?」
観鈴「ううん…ちがうの」
往人「何が違うんだ?」
と言うと観鈴は壁を指差した。
俺は、観鈴の指先を見た。
何ぃぃぃーーーー!!!
ついにやったか観鈴…
往人「やったな観鈴、召喚師のレベルが上がったぞ」
観鈴「わたし召喚師じゃないよ」
往人「そんなの知っている」
観鈴「もう…そんなことより」
往人「何だ」
なぜか嫌な予感がする
観鈴「捕まえてよ」
往人「はぁ?」
観鈴「だから、捕まえてよ。セミ捕まえた時と同じようにお願いっ」
往人「しょうがねなぁー」
観鈴「本当!やったぁ〜」
往人「っムリだ」
俺は即答で答えた。
誰がアレを素手で捕まえるか!
観鈴「えぇー!何で?」
往人「まぁとりあえず…」
観鈴「うんうん」
…むにゅ。
ずるずる…
観鈴「………」
往人「どうした?観鈴」
観鈴「往人さん何で外に出たの?」
往人「観鈴…がんばれ」
観鈴「なんでかな…」
往人「………観鈴ちん、ふぁいと…」
観鈴「うん!がんばる!観鈴ちん、ふぁいと、おー!」
往人「………」
やっと、エンジンかかったか。
これで、問題なくなったな…
往人「がんばってこいよ」
観鈴「うん。装備は、新聞紙で十分だよね…」
往人「ああ…」
そして、観鈴は家の中に消えた。
あ〜気持ち悪る〜
朝は、すがすがしいのがいいよな〜
声「よーし! 掛かって来い!」
むっ 始まったようだな。
ゴドンガダン!
声「わーっ! 増えてる〜!」
なぬ〜!
ゴドンガダン!
声「わわーッ! でも、動きが遅いな〜♪」
観鈴…動体視力良いのか…?
声「わわーッ!飛んできた」
飛んだのか……怖…
声「見える! 1! 2! 3! 4! 5! そして…そこー!」
なに〜!…観鈴ニュータイプなのか?
声「わぁーーーーーー!」
ぐぉ〜〜…響く…何だ?
声「往人さんのみ………」
なんだ、俺の「み」なんだ?続きを言え
声「がとんでもないことに!」
…だから、なんなんだよ
声「観鈴ちん、ぴんちっ」
………
やがて…
玄関がガラリと開いた。
観鈴「終わったよ。わたし、勝った…ぶいっ」
出てきた観鈴が、俺の前でVサインをする。
往人「よくやった。それに、ニュータイプにも目覚めたらしいな…」
観鈴「ニュータイプって……何?」
往人「………知らないんだったらいい」
観鈴「はい、食べよ」
平然と並べられた俺の朝食…。
ご飯、焼き魚、おひたし、漬物、味噌汁
見た目では妙なところはないが…。
観鈴「ん? 往人さん、どうしたのかな」
往人「おまえ…なにかあっただろ…この朝食に」
観鈴「なんにもないよ。なんにもない」
観鈴「おいしい、もぐもぐ」
自分だけ、美味しそうに食べている。
往人「………」
ぐぅ〜…
往人(嫌な感じはするが、仕方がない…)
食べることにした。
もぐもぐ…
ズズズッ…
観鈴「………」
ジッと観鈴の目がこっちを見た。
往人「なんだよ、その、うわ、本当に食べちゃってるっ、ていう目はよ…」
観鈴「そんな目してないよ。してない」
往人「そっかよ…ったく」
ぱくぱく…
ズズズッ…
観鈴「おいしい?」
往人「おいしいよ…」
観鈴「ゴキっぽくない?」
ブーーーーッ
観鈴「往人さん汚い」
往人「どういう意味だよ、それはっ」
観鈴「なんでもない。なんでもないよー」
往人「………」
余計に気持ちが悪くなった…
観鈴「往人さん大丈夫?」
俺は、二日酔いとさっきの朝食のせいで余計に気分がローだった。
往人「…………病院行って来る…」
観鈴「うん…いってらっしゃい。わたし、もう学校行くから」
往人「わかった…もう行く…」
う〜ん…何かを忘れている気がする…
ガチャ
往人「聖いるか〜…」
そう言いながら、霧島医院の扉を開けた。
聖「ほう…いい度胸だな」
往人「何を言っているんだ?二日酔いだから薬をくれ」
聖「昨夜の事をもう忘れたのか?」
往人「何だっけ?」
俺は、普通に忘れていた。
「約束だよ」
それは、7年前の約束を覚えていなきゃならない事だった…
って違うだろ
聖「そうか…忘れたか…では、」
シャキィィン!
往人「なぜそれを出す」
なだめるように言った。
聖「佳乃の下僕になれーーーーー!」
往人「わぁぁぁーーー!」
俺は、あわてて外に出た。
聖の一言で全てを思い出した。
往人(しまった…そうだった…くそ)
聖「まてーー!国崎 往人ーーーー!」
俺は、聖が追ってくるので堤防の方へ逃げた。
往人「BGMは、神薙-dissidents-で」
往人(…………って誰に行ってんだ?俺…)
その答えは見つからなかった…
観鈴「また、遅刻だ。時間潰そう…」
観鈴は、いつもの場所で時間を潰していた。
観鈴「あれっ…往人さんだ。何で走ってるんだろう?」
観鈴が武田商店の方を見ると往人が走っていた。
観鈴「おーい!往人さーん!」
往人(なかなか撒けないぞ)
声「おーい!往人さーん!」
往人(むっ…あれは、観鈴…よし)
往人「観鈴!」
観鈴「何で走ってるの?」
走っている理由を聞いてきた。
往人「そんなことより!これから白衣を着たヤツが来るから足止めよろしく!俺の命にかかわる。
それが理由だ!」
観鈴「わっ殺し屋が来るのか…でも、がんばる。往人さん何処に行くの」
往人「とりあえず、家に戻って体勢を整える。むっ、来た!たのむぞ!」
聖「国崎 往人を見失った…むっ…神尾さんではないか」
観鈴「こんにちは、先生……」
聖「何をじろじろ見ているんだ」
観鈴「先生って殺し屋?」
聖「?何をい…おっそうだ。国崎君を見なかったかね?」
観鈴「往人さん?見てないですよ」
聖「ジュースを奢って上げよう」
そういうと100円玉を出した。
観鈴「わたしの家に居ますよ」
観鈴は、100円玉を受け取った。
聖「ありがとう」
往人「さて…どうするかな」
と、家に早歩きで戻っていた。
往人(さすがに長時間全速力は疲れる。ふぅ〜…)
声「国崎 往人ーー!神妙にお縄につけーー!」
往人(げっ!観鈴失敗したな。くそ…あいつは、いつの人だ)
そんな事を考えながら逃げた。
往人(次は、あそこだな…)
パチン
???「んにゅ…」
パチン
???「ん〜…美凪上手くいかない…」
と、シャボン玉をやっていた女の子が言った。
???「……みちる、もっとゆっくりやってみて…」
本から顔を上げて美凪と呼ばれた少女は言った。
???「んにぃ?なんかやってくるよ」
往人「おーい美凪かくまってくれー」
美凪「……どうしたんですか?」
往人「今、人に追われているから来たら知らないと言ってくれ」
美凪「……わかりました。でも、何処に隠れますか?」
???「誰に追われてんだよ」
往人「駅舎に隠れるか?」
美凪「でも、袋小路ですよ。外に出るの一つしかないですし…」
???「誰に追われてるんだよ」
往人「むう〜どうするか?」
???「うににぃ〜」
美凪「往人さん…」
往人「何だ?」
美凪「そろそろかまってあげないと…」
往人「誰にだ?」
???「みちるにだ〜」
往人「ぐは」
みぞおちにキツイ衝撃が…
往人「…何すんだ」
みちる「国崎 往人が無視するからいけないんだ」
ふん と言って顔をそむけた。
みちる「名前もなんでさっきまで伏せてあったんだー!」
みちるチョップを往人にかました。
往人「ぐっ…作者に言え」
美凪「あっいい角度…」
ツカツカ
ゴン!
みちる「にょごわ」
声「国崎 往人ーーー」
往人「ちっ!もう来やがった…」
美凪「……この声って……」
往人「知らないって答えろよ」
そういって俺は、草むらに隠れた…
みちるは、まだ痛がっていた。
聖「何処に行った……やあ遠野さん」
美凪「こんにちは…」
聖「ところで…国崎君を見なかったかね?」
美凪「いいえ」
聖「そうか…ところでこの子は?」
そう言ってみちるを見た。
みちる「みちるはね!みちるって言うんだよ!」
聖「みちると言うのか…いい名だ」
みちる「へへっ みちるも気に入ってるんだ」
満面の笑みを浮かべた。
聖「みちる 国崎君を知らないか?」
往人(むっ みちるに目が行っているな…今のうちだな)
ガサガサッ
往人(やべっ)
聖「そこかーーー」
ヒュッ
カッ
往人の頭上をかすめて木に刺さった。
投げた本人を見ると全くこっちを見ていない。
聖「待てーー!」
そう言って再び往人を追った。
そして、駅舎に静寂が戻った。
みちる「今の人すごい!全く見ないでなんか投げた!」
みちるはとても興奮ていた。
美凪「……そうね」
みちる「みちるにもできるかな?」
美凪「やめたほうがいい…」
みちる「美凪が言うならやめる」
そして、ふたたびシャボン玉に没頭していた。
往人(何処まで追いかけて来るんだ〜)
聖「待て〜〜!」
また病院の前を通った。
往人(一周してしまった…)
俺は、あと何週するのだろうと考えた。
声「あれ〜〜?往人くんだ〜何してるの」
俺は、その声の方を向いた。
往人「佳乃!聖を止めてくれ!」
佳乃「お姉ちゃんを?わかった!お姉ーちゃーん」
佳乃は、聖を止めに入った。
聖「佳乃!国崎君を捕まえろ!」
佳乃「なんで?」
聖「佳乃の下僕になる!」
佳乃「…………」
往人「何を考えとるんだー!」
俺は、喝を入れた。
聖「お昼は、流しそうめんだ!」
佳乃「往人くん覚悟です」
往人「裏切るのか!その前に流しそうめん好物だったのか?」
佳乃「裏切るも何もそっちが先に裏切った。だから、下僕1号になるのです」
笑顔で言っていた。どうやらマジのようだ。
佳乃「ポテト召喚!!」
ポテト「ぴこ〜」
何処からともなくポテトが現れた。
往人「こんな奴怖くないぞ」
佳乃「これから怖くなります」
ポテト「ぴっ…ぴこ」
むく
ポテト「ぴこぴこーーー」
むくむく
往人「なにーーーーー!!」
ポテト「びごーーー!」
なんとポテトが巨大化した。
俺は、巨大ポテトの影にスッポリ収まってしまった。
佳乃「往人くん覚悟です♪行け〜ポテト♪」
ポテト「びごーー」
佳乃がそう言うとポテトは、跳んだ…俺めがけて…ふと佳乃を見ると
佳乃「攻撃名は、ポテトの恨みです♪」
佳乃は、ニコニコしながら言った。
往人「ぐぉぉぉ……うぉっ」
俺は、ガバッと起きた。
が、腹の辺りが重い…
晴子「やっと起きたか〜」
観鈴「やっと起きた♪にゃははは」
往人「……何してる」
そう言いながら腹から振り落とす。
晴子「いやな〜あんたがうなされてから、手伝ってたんや」
往人「あほかーーー!」
と、行きよい良く立ち上がった。
往人「……ぐぉぉ」
がんがん!
思わずその場で座り込んでしまった。
観鈴「わっ!大丈夫?」
晴子「なんや 二日酔いかまだまだやな」
ケラケラと笑っていた。
往人「うるさい…」
まだ少しクラクラ来る。
往人「はぁ〜…気持ち悪」
観鈴「う〜ん…今、薬無いから病院行く?」
往人「ああ…行…」
俺は、思わずさっきの夢のことを思い出した。
往人「……やっぱりやめとく。家で大人しくしている」
観鈴「あっ…そう…」
そして、ひとりで気持ち悪さと頭痛と戦った…
余談ではあるが霧島家(ポテト含む)に思わず謝ってしまった。
もちろん全員「?」マークを浮かべていた。
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